ARCHIVES

2020.12.25

今回は、ショコラファン注目の人気3ブランド「パトリック・ロジェ」「トゥルビヨン バイ ヤン ブリス」「ル ブリストル パリ」の、2021年のサロン・デュ・ショコラ（Salon du chocolat）に届く逸品を紹介します。

〈パトリック・ロジェ〉

アーティスティックなショコラが絶大な人気を誇る「パトリック・ロジェ」。ロジェ氏は、2000年にM.O.Fショコラティエを取得、2018年にはフランスの最高勲章として知られるレジオンドヌールを受勲しています。現在は、フランスで9店舗を展開しています。

ショコラアソート

アーティスティックなドーム型のショコラ「スフェール」シリーズは、パトリック・ロジェのシグネチャー。そのスフェールを3種、3つずつアソートしています。

一度は実物をご覧ください。間違いなく「これ、本当にショコラ？」と見とれてしまうはず。

アソートされた3種は、ライムとフレッシュミントの香りはじける「エメラルド」、蜂蜜とカマルグ産の塩を使った「ミストラル」（以上2種はセミリキッドキャラメル）、新しくアソートに入った「テフュメ」。

「テフュメ」は、ブラックカラーにスターマークのクールなスフェールで、センターはラプサンスーチョン（中国茶）で香りをつけたガナッシュです。

パトリック・ロジェの世界観はクールなボックス、ショコラのデザイン、斬新な素材づかい、その全てから感じてください。

〈トゥルビヨン バイ ヤン ブリス〉

2011年にM.O.Fパティシエを取得。ヤン・ブリス氏は、パリの有名店・有名ホテルを経て、2018年5月、パリ郊外にブティックをオープン。トゥルビヨンとは「渦巻き」のことです。

シュセット ショコラ エ フリュイルージュ

「とびきり可愛いうえに美味しい！」昨年、サロン・デュ・ショコラに上陸した途端にこんな声が飛び交った、棒つきショコラ「シュセット」。

2011年にM.O.F. パティシエを取得したヤン・ブリス氏によるブランド「トゥルビヨン バイ ヤン ブリス」で、昨年注目を浴び、大人気だったのがこの「シュセット」です。

今年は、イチゴとキャラメル風味が届きます。ピンクの方は、なめらなバニラ風味のクリームといちごのコンポート入りで、丸いサブレトップの上にはふんわり、ライム風味のホワイトガナッシュ。もう一方は、ビターとミルクを使ったショコラクリームとキャラメル入り、トップにミルクキャラメルのような味わいのシャンティがのっています。形、味、見た目、トータルで素晴らしいセンス！

細くて長いスティックの先にちょこん、とのった、かわいいクリエーション。今年も専用ボックスで大切に輸送され、日本に届きます。

タブレット プロヴァンサル

パプリカや黒オリーブがトッピングされたビターチョコレート。フルーツやナッツはあれど、野菜はめずらしいのでは？！

トッピングは5種類で、キャラメリゼしたアーモンド、レモンピール、オレンジピール、そしてドライブラックオリーブ、ドライパプリカといった南仏産食材。

一口味わえば、黒オリーブと、パプリカがチョコレートに合うことに気づくはずです。スイーツのようなショコラとは一線を画す、ワインとの相性抜群のタブレット。少しずつ割って、アペリティフの時間にも。

＜ル ブリストル パリ＞

パリを代表する、憧れの高級ホテル「ル ブリストル パリ」。このホテルは1925年、パリ8区に創業した5 ツ星ホテルです。ジュリアン・アルヴァレズ氏は、クープ・デュ・モンドのスペイン代表として2011年大会で優勝、2018年にこのホテルのシェフ・パティシエに就任。ショコラティエのジョアンヌ・ジャケッティ氏とともにクオリティの高いショコラを作っています。

ショコラアソート レ ゼピセ

今年注目の、スパイスを使ったアソートは、自家製ミックススパイスで作るパンデピス＆スペキュロスのプラリネ、グリーン・カルダモン＆コーヒーのガナッシュなどで、中でもカレー風味のプラリネがユニーク！個々のクオリティの高さとともに、上品な遊び心を感じます。

格調高く伝統的なパラスホテルらしく、パッケージにもショコラにも、派手な装飾はありません。味わえばホテルの格と揃うレベルを感じる。それがエレガントです。

サブレ ショコラ ノワール

ホテルのお客さまからのリクエストで、グルテンフリーのサブレが開発されたそうです。そのショコラバージョンがこちら。ヘーゼルナッツパウダーやコーンスターチをベースとした生地をビターチョコレートコーティングしています。仕上げにのせられるカカオニブ良いアクセントに。甘さを抑えた、いつも味わいたくなるようなショコラサブレ。時代を反映した、上質なカジュアルアイテムです。

text
ショコラコーディネーター 市川歩美